日記を毎日書いているよと夫に話したところ、「何か気づきはあった?」と聞かれた。マジの日記に「気づき」などないよ。
夫とはそのあと雑談をし、「料理を"作る"じゃなくて"育てる"って言うアクの強い料理研究家いそうだね」ということを話した。我々の会話、5割がこういう感じのしょうもない話(あとの4割は意味のない鬨の声)。
昨日は教習所の申し込みに行った。夫と息子も連れていった(移動の基本単位が3人)。教習所までの道のりでおばあちゃんに話しかけられたのだけど、そのおばあちゃんの声が『となりのトトロ』のおばあちゃんの声と口調にそっくりだったから、なんか別の世界に迷い込んでしまったのかもしれないと思ってすごい怖かった。
教習所は申し込みのときに漢字テストみたいなことをやるのだけれども、「こうつうひょうしき」が書けず、「"しき"が分かりません」とオズオズ提出した。私に漢字のことを聞かないでほしい、フィーリングで書いているんだから・・・。
そのあと家まで息子と歩いて帰っていたら、息子が歩きながら寝てしまったので、抱っこして帰った。息子は、起きたら家だったし、日が暮れかけていたので、悲しすぎ〜の泣き方をしながらシクシクしていた。お昼寝すると遊ぶ時間なくなってすぐに夜になっちゃうの辛いよね。わかる。
夜ご飯は、夫婦どちらも疲労していたので、ナッツとデコポン食べて終わり。
楽しい1日だった。
そういえば先日からスマートウォッチをつけている。あんまり高機能だと遊ぶのが楽しくなっちゃうから、安〜いやつにした。時計! 万歩計! 脈拍! 以上終了! みたいなやつ。
万歩計は朝起きて洗面台で顔洗っただけで150歩とか歩いたことになってるから、調子の良いことを言われているか、我が家が広いかどちらか。後者がいいな〜。
今週読んだ漫画
ハミ山クリニカ『汚部屋そだちの東大生』
今週読んだ活字の本
江戸川乱歩『赤い部屋』
谷崎潤一郎『陰翳礼讃』
小松和彦『呪いと日本人』
尾崎世界観『苦汁200%』
マリア・V・スナイダー『イレーナ、失われた力』
マリア・V・スナイダー『イレーナ、闇の先へ』
マリア・V・スナイダー『イレーナ、永遠の地』
大塚ひかり『くそじじいとくそばばあの日本史』
大久保恭子『「最期まで自宅」で暮らす60代からの覚悟と準備』
松井久子『疼くひと』
イレーナシリーズ、去年の夏とかに3巻までを読んでたんだけど、ちょっとやっぱり1冊目の面白さが段違いすぎて、2巻、3巻と進むにつれて「普通に面白いだけだな・・・」ってなっちゃってしまい、4巻から読むのを中断していた。
で、最近になって、面白い本に全然でくわさないので悲しい気持ちで積読になってたイレーナシリーズに手を伸ばしたところ、1巻の感動を忘れていたので普通に面白く読めた。
一気に読むことを前提としていなくて、2年に1回とかのペースで新作を鑑賞するからこそ面白いエンタメ作品あるよね。イレーナはそういう作品だったんだな。ヴァレクの脳内イメージ、カルエゴ先生になりがち(だ〜れも分からないあるある)。
『くそじじい〜』『「最期まで自宅」〜』『疼くひと』は、60歳以上の女性をターゲットにした雑誌『ハルメク』関連で知った本。『疼くひと』だけはハルメクがもとになって知ったシニア向けのwebポータルサイトみたいなので見つけた。
『くそじじいとくそばばあの日本史』はすごくよかった。葛飾北斎とその三女のエピソードがめちゃくちゃいい。
晩年、北斎と三女は二人暮らししてたんだけど、二人とも全く料理しなくて、ご飯は家の隣にある酒店から調達。買ってきたものは重箱から手掴みで食べて(箸とか持ってないから)、食べたあと出たゴミはそのへんに放置。
そんなんしてると家がめっちゃめちゃ汚くなるんだけど、そうなったら引っ越し。
で、人生で93回も引っ越ししたから常に貧乏だったんだって。そりゃそうだろ。
この三女も絵を描いて生計を立ててたんだけど、かなりゴリゴリしている。離婚経験があるんだけど、離婚の理由が「夫(絵師)が描いた絵の下手なところを指差して笑っちゃった」から。
北斎が死んだ後は兄弟の家にいたんだけど、家事を全然やらないから兄・弟嫁に怒られる。でも「私は筆一本で生計立てられるわけで、じゃあなんで家事なんてしょーもねえことやらなきゃいけないわけ?」って言い返していたらしい。
めっちゃいい。私もこういうスタンスで家事と向き合っていきたい。
街歩いてるおばあちゃんとかと喋ってても「今の子は家事ほとんどしなくて楽ばっかりしてるわよね〜」とか急に言われたりする。
楽だと思うなら年収500万ぐらい稼ぎながら育児して家事も近所付き合いもお弁当作りも完璧にやれよ・・・とか思う。これに加えて、将来が不安だから貯金もするし勉強もするし、ちなみに夫婦は仲良くないと虐待だから常にニコニコ仲良しでいるための努力もするんだからな・・・とか思うけど、私も結構、自分の経験からもの考えちゃうからな。
おばあちゃん好きだし「エヘヘ〜」って言ってる。
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『疼くひと』は、私はダメだった。良くも悪くも携帯小説だった。
70歳すぎた女性が、15歳ぐらい年下の男と恋に落ちて、生まれて初めてセックスが楽しいと思って、性と純愛に溺れていく・・・みたいな感じなんだけど。
まずねえ、男が70歳の女に恋をする理由が、「子供の頃、周囲の女性たちからレイプにあっていた。レイプにあって嬉しかった。それ以来、年上の人が好き。人の役に立つことが好き」みたいな感じだったんだけど。
ウ〜ン。20代読者はここで離脱じゃない?(もちろん20代に向けては書かれてないんだけど)
これ、男女逆だったらメチャクチャ悲しいじゃん。「12歳の頃から、優しくしてくれる男はみんな私をレイプしてきた。自分を認めてもらったみたいで嬉しかった。だから今でも同年代の男との付き合い方は分からなくて、15歳ぐらい年上の男としかセックスができない」みたいな。
この事実を知った上で、なおも「初めて知った本当の快楽」を満たすために相手と恋愛関係を続けてしまう主人公、むごすぎて引いてしまう。
そんでネタバレなんだけど、ひととおりセックスと恋愛を楽しんだあと、相手の男は死ぬの。
もう最悪だよ〜。あれほどさあ、これまで数多あったエンタメ作品でさあ、「男の圧倒的成長✨のために色々役立ってくれたあと、よいタイミングで死んでくれる都合のいい女」はもう流石にダメだろ・・・ってなったあとで、2021年にこういうの書いちゃうの?
70代の女性がセックスを楽しんでる様子なんてネットでGILFって検索したら掃いて捨てるほど出てくる。じゃあこの本の何が新しいかっていうと、そこそこ高齢の女性のために作られた、性を扱う小説っていうところにある。
「女のためのエロ」ってやっぱり私はフェミニズムの文脈で受け取ってしまうし、この人、『何を怖れる』とかのフェミニスト向け映画も作ってるわけで。
こういうなんか、男が女にしてきたことを女も男にやりますよ、みたいな、ミラーリングみたいな方法でしか「女の性愛」を語れませんでしたと提示してしまうのは、最悪だろうと思う。
濡れないとか、若い頃のセックスで好きだったこととかをやってみたら、老化でただ痛いだけになっちゃってたとか、そういう細かい「老いてからのセックス困った事例集」はリアルだったのにな〜。男が女を好きになる理由なんて、「好きだから」でいいじゃん。レイプされてたみたいな笑えない理屈いらないし、失礼だと思う。
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尾崎世界観の本を買ってしまったら終わりだ、となんとなく思っていたのだけど、池上冬樹が絶賛していたのでつい購入してしまった(権威が読んでる本、全部読みた〜い)。
尾崎世界観、2018年とかになってもまだ「売れたい」と日記の中で書いていたが、完全に嫌味な感じになっていて面白い。クリープハイプのレベルで売れることができたら悪魔に魂売り渡してもいいって思ってる人いっぱいいそ〜。
あいみょんと付き合ってるし、芥川賞の候補になるし、カオナシは「絵が描ける人っていいな」とかじゃなくて「うちのバンドのフロントマンっていいな 魔法だな」みたいなしょうもねえ曲を書いたほうがいいのではないか。それに対して尾崎世界観が「ベース」って曲をアンサーとして書くんだよ。「バンド」と同じ構成で。
なんか正直なところ最近は仕事して本読んで息子と遊ぶと終わっている。本当はもっと勉強せねばならない・・・。頑張ろ〜。