晶子がずっとガーリー(今週読んだ本)

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今週読んだ本

萩原規子『西の善き魔女I セラフィールドの少女』
萩原規子『西の善き魔女II 秘密の花園
萩原規子『西の善き魔女III 薔薇の名前
萩原規子『西の善き魔女IV 世界のかなたの森』
萩原規子『西の善き魔女V 銀の鳥プラチナの鳥』
萩原規子『西の善き魔女VI 闇の左手』
萩原規子『西の善き魔女VII 金の糸紡げば』
萩原規子『西の善き魔女VIII 真昼の星迷走』

夏目漱石『自転車日記』

与謝野晶子『みだれ髪』

中上健次枯木灘

佐々木閑『100分de名著 般若心経』

 

西の善き魔女、5巻まであんなに全力疾走で面白かったのに・・・。6巻以降は全然面白くなかった。なんていうのか。面白いんだけど、5巻の続きを読ませてくれよという感じというか。

ようやく世界観の説明が終わって、さあこれから冒険だ!!! っていうところで終わってしまった印象。でも、ここからさらに開拓していくのは大変だろうし、二次創作してくださいってことなのかな。しかしこの本、ティーンの頃に読んでいたら大変なことになっていた気がする。ほら・・・オタクって、女の子みたいなルックスの根暗なboy好きじゃん?(当社比)公式が二次創作を推奨しているし(そんなことはない)、本当に危ない本だぜ。こんなもんを佐竹美保の装丁画で出すなんて、本当に恐ろしいことをする。色々あってうっかりシェーラ姫の冒険の新装版をポチッてしまったじゃないか。

 

中上の枯木灘ようやく読めた。他の作品に比べて、話があんまり進まないから、読むのに時間がかかってしまった・・・。2ヶ月ぐらいかけて読んだ気がする。

え〜面白いのこれ〜? とか思いつつひたすら文体の波に飲まれる。コンクリを固めて云々とかのお仕事描写がすごい細かいのが良かったかな〜? とか思いつつ読み終え、最後の柄谷行人の解説を読んで、中上の凄さに衝撃を受けるいつものパターン。中上がすごいの? それとも凄さを言語化する柄谷がすごいの? どっちもすごいんだけど。

しかしまあやっぱり古典を読めば読むほど、じゃあ私が文章を書く意味なんてないじゃんね、と強く思う。全部書いてあるのに、天才にはなれないのに、なぜ新たに書くの?

中上健次、まだ全然読めていない。これで4冊目。これまで読んだ中では讃歌が一番好きなので(オバたちが可愛いし話がわかりやすいから)、多分中上好きな人と話が合わない気がする。讃歌が一番好きです! とか言うの、マジで躊躇われるな。結局色々考えた末「一九歳の地図が好きです・・・」とか言ってしまいそう。

ってかでも、一九歳の地図ってなんか本当に中上の小説なのか? って思うぐらい、他の作品とノリが違いすぎない? 若さ?

 

晶子(与謝野さんちの)はいつも通り可愛くしていた。定期的に晶子を摂取することによってしか得られないガーリーな感覚というものがある。晶子マジでガーリーなんだよな〜。今生きてたらツイッターでゴリゴリと恋愛についてつぶやきまくり、出版まで漕ぎ着けているんじゃない? いやもう多分確実にそうよ。

好きな句はこれ。

「そのなさけかけますな君罪の子が狂ひのはてを見むと云ひたまへ」

(結婚して子供もいるあなたを愛した私に、情けなんかいらない。罪の子が狂っていく、それをラストまで見届けてやろう、ぐらいに言って)

「人の世ぞ何をなげくとつよく云へど君も少女子(をとめご)われも少女子(をとめご)」

 

ガーリーだなあ。マジでツイッターにいる。