無根拠にきみを愛しむ

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息子が夜中に何度も起きたのに付き合っているうち、だんだん目が覚めてきて、ついに眠れなくなったので、2時ぐらいからノッタリノッタリ活動を始めている。

眠れないだけで体力は回復しておらず、疲労感が強い。何をするにも「ウウ・・・」と言ってしまう。

 

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息子は嫌な夢を見たらしく、ヒーと泣きながら起きた。「どうしたの」と聞いたところ「お外でっ・・・全部っ・・・おとしちゃった・・・」と、半分寝言みたいな感じで必死に説明してくれる。

多分、お外で遊んでいたら、大事なおもちゃとかを全部どこかに落としてきてしまった夢を見ているんだな。悲しいね・・・。

「落としちゃって悲しいんだねえ」と話を聞いていたところ、だんだん目が覚めてきたらしく、

急にものすごくハッキリした声で「ううん、何も落としてない!」と言って寝た。

 

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その後わたしもウトウトしていたのだが、妙に怖い夢を連続してみるので、眠れなくなってしまった。

息子が毛布を蹴飛ばしていたのだが、寒いのか丸まりながら鼻水をズーズー言わせていたので、毛布をそうっとかけて寝室を出る。

息子、毛布のことが嫌いすぎるのだが、毛布に親でも殺されたのか?(渾身のおもしろジョーク)

 

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昨日は朝の5時ごろに息子が起きた。夫は昨日寝たのが深夜2時ごろだったので、みんなで一緒に朝ごはんを食べたあと、夫には寝てもらう。私と息子と二人で一緒に散歩へ出かけた。

 

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散歩中、近所のおじいちゃんおばあちゃんが庭の手入れをしていたのだが、その様子を息子がじっと見つめていた。

見つめられているのに気づいて、ニコニコしながら手を振ってくれたので、エヘヘと思ってしばらくおしゃべりをした。

 

おじいちゃんと喋っているとき、もののはずみで「今日、この子、朝の5時に起きたんですよ〜。もう、老人か!! って感じですよね」と言ってしまい、これは大変なことを口走ってしまったぞとめちゃくちゃ焦った。

おじいちゃんは死ぬほど優しかったので、スルーしてもらえた。ウウッ、すみません、許して・・・。

 

この地域のおじいちゃん・おばあちゃんは、おおよそ30〜40歳の頃に、子育てのために他県から越してきた人がほとんどで、「生まれたときからこの地域に住んでいる」みたいな人が滅多にいない。なので、余所者にかなり寛容。

 

まあつくづく、住みやすい街だなあと思う。いい土地か物件があったら購入してしまうかもしれないと思うぐらい、いい街。

 

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そんなこんなで、9時ごろまで散歩をしたあと、自動車の教習所に行くため夫と育児をバトンタッチ。

 

きょうは学科のお勉強であった。第二段階(そういうのがあんのよ)の学科は、そんなに難しくないというのか、新規性が低いので、先生も9割ぐらい雑談をしている。

学科の先生は50代ぐらいなのだが、雑談のエピソードのノリが常に古い。「芸能人と知り合いで、高級車を乗り回し、昔はワルだった自分」をチラつかせると、若い子から賞賛してもらえると思っている。

最初はやだねえと思っていたのだが、だんだん、あまりにもずっとそのノリなので、かえって愛おしく思えてきた。

生き物って、たいていの場合、いいんだよなあ(雑な糸井重里の真似)。

 

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教習所が終わり、家に帰ると、夫が息子にポケモンの図鑑を買っていた。

一つ一つのポケモンに添えられている説明文(みたいなやつ)を読み上げていたら、息子もだんだん「説明に使われるっぽい語彙」を覚えてきて、最終的には、私が、図鑑に書かれてある説明文を読むと、息子が「それにネッ・・・」と言いながら、架空の説明文を読み上げてくれるようになった。

「目が、サンカクになってから、バツになると、見えなくなって、ホロカセで、ホロカセに、なる」など。

架空の説明文を読んでいる息子の顔を見たところ、驚くほど可愛いので「嘘っ、この赤ちゃん、めちゃくちゃ可愛くない?!」とデカい声で言ってしまった。3年間ずっとこの茶番をやっている。

 

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里親について、夫と会話。

・短期的な保護は避けたい。子供が可哀想。せめて5年以上は預かりたい。

・特別養子縁組でいいです、と最初から決めている実親はむしろ少ないだろうから、最初は養育里親でもいい。

・年齢については、息子のメンタルケアのことを考えると、息子よりも年齢が低い赤ちゃんが来てくれると一番嬉しい。できたら0歳児だと、息子も「赤ちゃんだ」となるだろうし、それが一番ベストだな。

・里親になった人の手記とかを読んでいると、「養子縁組は、子供が欲しい大人のための制度ではなく、子供のための制度だと知り、衝撃を受けた」みたいな人がほとんどで、へえ〜と思う。そりゃまあ子供のための制度なのでは・・・。

・里親を考えるのは、不妊治療を経験した人が多いからかな。不妊治療をしているとやっぱり「子供が欲しい」の気持ちが強くなってしまうだろうし。

・そういえば、児童相談所の人からも「実子がいて、妊娠能力があって、まだ28歳なのに、なぜ?」と聞かれた。

・妊娠/出産を経ての育児はタフだから・・・?

・己の腹を経由して産むことにそこまで強いこだわりがないから・・・?

・もう産んだことあるし別にいいから・・・?

 

・引き取るのにあわせて、仕事の量をコントロールできたらいいねえ

・小児科とか児童相談所に通いやすいように、車の運転にも、慣れている必要があるねえ

・もしかしたら実家にヘルプをするかもしれないねえ

 

・まあ、実際に引き取るのはもっとずっとあとの話だろうから

・もしかしたら、引き取れる頃には、もうコロナが終わっている! みたいな可能性だってあるんだしな

・あ〜はよコロナ終わってほし〜、旅行行きて〜

・温泉行きた〜い

・いい感じの旅館

・いい感じのご飯

・日本最大級の●●(丸の中には任意のウキウキする言葉を入れる)

・キャンプ

・何かの食べ放題

・プール

・海

・カヤック

・旅行全然関係ないし今でもできるけど流しそうめん食べたい

・ピザも食べたい

・ピザはいつでも食べたい

 

ちなみに、この話をしている間、夫はずっと踊っていた。有酸素運動で脂肪を燃焼させたいそうだ。可愛いネ・・・。

 

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夕食まで微妙に時間が余ってしまったので、夫がビデオ屋さんで借りてきた『コクリコ坂から』を観る。

死ぬほど面白くなかった。宮崎吾郎の監督した映画は何を見てもしみじみと面白くないので驚く。

唯一「この演出はいい」と思ったシーンは駿ちゃんが提案したものだったと知り、じゃあ駄目じゃん・・・と思った。

優秀な親の遺伝子を受け継いだから、優秀な子供ができるわけじゃないよなあ。やっぱり、己の腹経由で産む必要なんてないよな、と、またしみじみと思った。

 

どうでもいい話。

夫は宮崎駿が大好きなのだが、宮崎吾郎の名前はいつまで経っても「長崎吾郎」とか「水島吾郎」など間違えて呼んでいる。

だいたい文脈で分かるので私もあえて訂正はせず会話を続けるのだが、知らない人から「吾郎に失礼では」と指摘されたら、まあ、反論はできないな、と思った。