190707/黙るときの言葉は嘘

黙るときの言葉は嘘だ。恒常的に会いたい会いたいと罵る誰かを知っていたい。

「でもね。」いつでもそうやって否定をする、週休二日もあるのにひどいよね、「でもね。」いまだにカシスオレンジなんて飲んでるから天罰だってくだって当然だよねえ? 「でもね。」だから、汚いのはごめんなんだって。

私たちセックスしてたらきっとさっさと絶縁してたから良かったよねと言ったの覚えてるかな。ああいうの全部、あなたをいい気持ちで帰らせたくて言っただけだから本気にしないでね。

そうだね、

聞いてないふりしてくれてありがとう。でも私もあなたが勃起したの見て見ぬふりしたんだよ。知らないかもしれないけど。

「ああ」と声が漏れる、漏らした声が道を歩く中央大学の生徒に届きますようにと私は祈っている。

この間はありがとうね。手のひらが湿ってるのはここが日本だからかな。彼女は低気圧のことを台風の赤ちゃんって言ったんだよね、その夏いっぱい人が死んだから。それでどういう話だっけ。カラオケで歌ったアニソンがあんなに刺さるなんて知らなかった。もう忘れたいことがたくさんある。

じゃあ。

(コンクリートは騒々しくて岩の粒が砕かれては死んでいく誰かが埋まった穴の中に化石が次々できあがる私たちもいつか歴史の一部になる宇宙の有象無象になる分からない日々をきちんと未来永劫の誓いに当てはめて意味や価値があると言い張った。日々は)

黙るとき、の言葉は嘘だ。あなたは不遜に私への罵倒語を喉元で食い止める。