誰かが苗木を植えること、私の未来が決まること

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息子はよく「ほろばれてんです〜!」と言うのだが、全然意味がわからない。

「このダンプカー、めっちゃめちゃほろばれてんですねえ〜!」とか「ワニにトカゲがほろばされちゃいました・・・」「階段からほろばしちゃった・・・」など、活用も完璧。

私は息子が生まれてからすぐにフランス語を始め、現状"je ne sais pas"(知りません)しか言えないというのに、息子はもう日本語のオリジナル動詞を作って活用も完璧にこなしている。3歳児ってマジですごいし私はfais plus d'efforts pour apprendre le français。

 

しかしほろばすって何なんだろう・・・。

たまにちょっと掴めたような気がして「この道路はほろばれてるねえ〜」など息子に言うと「ほろばれてないよ」とたしなめられる。ちょっとはほろばれてんでしょうが!

 

昨日は4時間ぐらい息子と近所をただただ歩いていた。風が強い日だったので、息子は道に咲く花たちのことが心配でたまらず、立ち止まっては「チューリップ〜!!!! だいじょうぶ〜〜〜!?!?!」などと話しかけていた。かわいい。

息子と一緒に歩いていると、「今私は世界一可愛い生き物と一緒に歩いてんだな・・・」という謎の万能感で満たされる。多分、顔が生まれつきめちゃくちゃ可愛い人とかは、常にこういう万能感とともに生きてるんだろうな。最高だな・・・。

息子オリジナルの語彙にはまた「こわがりさま」というのもあって、これは普通に、怖くてぶるぶる震えているかわいいものに対して使用される。「ぷいぷいモルカーはこわがりさまになっちゃったね・・・」みたいな。文字にしてみるとなんか新手のもののけ姫みたいだな。

昨日、息子に発見されたチューリップは全員こわがりさまになっていた。

 

 

近所で桜がいっぱい咲いていた。息子は桜を見てとりあえず「カワイイネエ!!」とは言ったものの、その後、桜のわきの地面に設置してある、桜を照らすためのライトを発見。

「ねえこの子!!!! しろ〜いオハナチャンジーッとみて、こわがりさまになってるネエ!!!!」とウケていた。ええ〜? こわがりさまになっちゃってんのお〜?(金カムのノリで)。

近い将来、ソメイヨシノがみんな枯れちゃっても、ソメイヨシノを照らしていたライトは残り続けるだろうし、何もない場所を照らすライトを見て息子はウケるんだろうな。そうだよね、君の混沌とした世界のなかでこの世はずっと平和だよね。山河があってもなくても。

 

 

しかし息子と息子のイマジナリーフレンドとの争いが全然終わらない。

昨日は朝起きてトイレさせて朝食の準備していたら息子がキレているのでどうしたのと聞いたら、案の定イマジナリーフレンドにキレていた。

説明してくれたところによると、イマジナリーフレンドが近くをウロウロしているからあっちに行ってほしいと怒ったところ、本当に外に行ってしまって戻ってこず、そんなんお外遊びなんて僕だってしたいわ! アホ! みたいな気持ちだったらしい。ゆとり世代を相手に苦慮する昭和生まれの上司か何かか?

一瞬イマジナリーフレンドを呼び戻そうか考えたのだが、イマジナリーフレンドだろうがリアルフレンドだろうが、他者はそんなに思い通りにならないよ・・・と思って、「そっか・・・」とだけ言っておいた。とにかく朝食を食べようよ・・・とも思った。

息子はいつかイマジナリーフレンドのことを忘れてしまうのだろうか? 結構面白いので12歳ぐらいになるまで仲良くしていてほしいなとも思う。

 

毎年春が来るたび、スギ花粉憎さのあまり「道路を全部アスファルトから土に変えて花粉を吸収させろ」みたいな急進派っぽいことを口走ってしまう。きょうも言った。多分明日も言う。5月ぐらいまでずっと言う。分からない未来の中で唯一確定していることがこれよ。