幼児向けコンテンツについて思うこと色々

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昨日は一日中頭痛。座っていると痛みが強まり、仕事にならなかった。一日中、暗〜い部屋で横になって、眠れるように祈りながら目をつぶる。

午後からはだるさと寒気が出てくる。頭痛の時はいつもこう。

 

きょうもちょっと頭痛が続いている。あと、いつもよりたくさん寝た。やっぱり体調悪いのかなー。

 

きょうの日記は頭痛の中で書いているのでちょっと性格が悪いです。ごめんあそばせ。

 

息子に『シンカリオンZ』を見せる。男の子向けアニメって、なんかあらゆることに配慮がないし、価値観のアップデートがなくて、嫌だなあと思った。

まず、1話からめちゃくちゃな環境破壊をする。3話では犬を銃で何度も撃っていた。「あれは犬です!!」と言ってから銃で撃ちまくるので、気分が悪くなってしまった。犬と認識した生き物を銃で撃つなよ。お前の将来が心配だよ。

アニメスタッフは、現実でちびっ子が真似する可能性とかを考えないのだろうか。

 

よく考えるとシンカリオンは、出てくるなんか巨大なモンスターのようなものに対して「敵だ!」とか言ったりしてはいるのだが、なぜ彼らが敵なのかは作中で理由が明確に示されない。

全ての敵は、シンカリオンが出てくるまでは、だだっぴろい平原とかに召喚されてウロウロしているだけだ。

もしこのモンスターが、敵の幹部みたいなのに急に「戦え」という指示のもと生まれたばっかりだとしたらどうしよう。図体がでかいだけの赤ちゃんが、戦ったこともないし、どうしていいか分からずウロウロしていたら、問答無用でボコボコに殴られて、死にたくないと思って必死で応戦しているうちに「必殺技」とか出されて死んでしまう・・・みたいな状況だったとしたら・・・。

可哀想・・・。可哀想すぎる・・・。

 

街にいきなり大きな大きなモンスターが現れたら、普通はとりあえず対話を試みるのではないか。対話ができないなら捕まえて研究をするのではないか。なぜ一足飛びに「殺そう」という血生臭い結論に至るのかよく分からない。

 

そういう、「子供向けアニメとして駄目な感じ」が、「新幹線がかっこいいんだからいいじゃん」みたいな理論で全て誤魔化されてしまうのが嫌だ。

ジブリの『風立ちぬ』もこういう理屈からあんまり好きではない。人を殺す道具だって美しいと感じちゃうよね、みたいな、そういうの、強い影響力を持った老人が言うなと思う。老人は戦争について「良くない」以外のことを言うな。

 

別に大人向けアニメならこれでもいい(大人向けアニメでこんな直情的なことをしていたら普通にアニメとして面白くないと思うが)。

でも、このアニメは小さい子供が見るもので、彼らが生涯にわたって持ち続ける価値観の一端を形成するのだ、ということを、番組スタッフはきちんと突き詰めて考えているのだろうか。

このアニメからは、「暴力はよくないことで、できれば避けたほうがいい」みたいな思想は全然感じ取れない。

むしろ、シンカリオンは敵を求めているし、暴力を振るいたいと思っている。ヒーローものはそういう性質を多分に孕んでいるものではあるが、だとしたら、2021年に従来のようなヒーローものを作ろうと思う大人たちが間違っているといえるのではないか。

 

敵を作り出し、殺すことを「カッコよさ」と言い換えるのはバカのすることだ。そんなもんはカッコよくもなんともない。

敵を生まない、敵ができたときも平和的に解決するのが一番かっこいい。

殺して「解決」した気になるバカばかりだからこの世はこんなクソみたいなことになっている。子供にバカの「解法」を教えるな。

 

これがたとえばプリキュアだと、敵は「死ぬ」のではなく「浄化」される。

敵の幹部は、主人公たちの身近にあるようなモノ(人形とかカメラとか)をモンスターに変え、そのモンスターも人を殺すのではなくて、単に「やる気パワー」を奪ったりしているだけだ。

プリキュアは奪われた「やる気パワー」を取り戻し、また、モノを浄化することによって、元のモノに戻す。

これが正解だ、と言いたいわけではないが、少なくともプリキュアは、シンカリオンと違って、暴力行為にエクスキューズをつけている。かわいい姿への変身と、必殺技を振るうことの意味をきちんと考えている。

さらに、トロピカルージュプリキュアでは特に、浄化前の戦闘でもあまり「殴る」「蹴る」といった描写が出てこない。

 

こういうエクスキューズをしなければならない女の子という性別と、「殺そう」という発想の許されている男の子。こういうところから私たちの「教育」は進んでいるんだろうな。

 

うちの息子ははやぶさもこまちも大好きなので、シンカリオンもワクワクしながら見ていたようだけれども、シンカリオンはしばらく見せたくない。

何が良くて何が悪いか、自分で判別がつく年齢ぐらいになるまでは。

「なんだか分からねえけど自分たちと違うから敵だ! 敵は殺す!!」みたいなのは本当に良くないと思う。

 

「なんではやぶさは生き物を殺してるの・・・?」「あの子は痛くないのかな」などと親の側でエクスキューズをつけるのが、不快だし面倒。プリキュアがいいですよ、やっぱり。

 

男の子たちは、「お前の価値観は本当に正しいのか?」と突きつけられることがなくて、可哀想だな、と思う。「男の子なんだからやんちゃぐらいがいいよ」「男の子なんだから身の回りのことなんてできなくてもいいのよ」と育てることによって、対等な人間関係を築くことを難しくさせるという、婉曲的な虐待・・・。

 

が、問題は、息子の同級生たちは、「偉い人が敵だと認定した生き物は敵だ」「敵は殺そう」という価値観になんの疑いも持っていないということだなあ。

 

*

 

息子は幼稚園でこいのぼりを作ってきた。大変気に入ったらしく、寝室にもちこんで一緒に寝ていた。

 

寝る前の絵本は『しろくまのパンツ』と、あと『いつつごうさぎのきっさてん』。

www.ehonnavi.net

www.ehonnavi.net

どっちも半年ぶり? ぐらいに読んだ。

『いつつごうさぎ』は、ももいろくまちゃんに「泣かないで」と言うところ以外は完璧。人間はいついかなるときでも泣いていい。

 

最近出版された絵本で、流行っているやつは、言葉遣いにデリカシーがないやつが多くて嫌だ。ヨシタケケンスケとか流行っているけど、何がいいのか全然わからない。

『しろくまきょうだい』シリーズとかも、読んでいたら、かなりキツい罵倒語が急に出てきたので、嫌だなあと思って捨ててしまった。絵はすごく可愛いのに。いつつごうさぎもそうだけど、こういう絵柄の絵本は、急になんか昭和の価値観をバーンと出してきがちなので注意が必要なことが多い。

あとは『いっさいはん』とか本当に親のための絵本じゃん、と思うんだけど、あれが絵本コーナーにある理屈が全然分からない。あんなん女子高生に『じょしこうせい』って同人誌読ませるようなもんだろ。

 

やっぱり新しめの絵本は玉石混交なので、買うのを躊躇ってしまう。20年ぐらいずっとベストセラーになっている絵本だと、しょーもねえやつは淘汰されているだろうという安心感がある。

 

あと、0〜2歳向けぐらいの絵本は、ほとんど文章がなかったので良かったのだけど、3〜4歳向けぐらいからグッと文章が増えてきて、そうすると、引っかかる言葉遣いも増える、ということがあるんだろうな。

英語の絵本はこういうことなくて大概大丈夫なんだけどなあ。なんでだろう。

 

日本に帰ってきて思ったのは、Eテレをはじめとする、子供向けコンテンツの素晴らしさだったんだけどな。絵本も、質や種類が多くて、本屋さんには必ず絵本コーナーがあるのに。