なんか普段のノリと全然違うんですが、許してください。オタクは自分語りが好きなんですよ。
服のレンタルサブスクサービスあるでしょう。あれを3ヶ月トライして、もういいかなと思ってやめた話をします。しょうもね〜記事(おもしれ〜女 のイントネーションで)。
やや長文。3500文字ぐらいあるので、読むの15分ぐらいかかるかもしれない。流し読みしてください。
お金に余裕があるならトライをおすすめ
やめたのに何を言っているの・・・という感じだけど、基本的に私は、ああいうサブスクサービスは、お金に余裕があるならトライしてみてもいいと思っている。
理由は以下の通り。
1)自分が好き/嫌いな服のテイストや、似合うテイストが大雑把に理解できる
2)そんなに好きじゃないテイストの服でも、褒められることがあると理解できる
3)派手な色や柄物に挑戦する心理的ハードルが低くなる
順を追って解説していくとですね・・・。
1)自分が好きなテイストや、似合うテイストが大雑把に理解できる
これはまあそうでしょう。衣服、取っ替え引っ替えですからね。
普通の試着と違って、1日通して着られるので、いろんなシーンや照明で服との相性を試せるのもよい。
自然光でみたときと、蛍光灯の下で見たとき、あとは天気とか時間でも、色の印象は結構異なったりするし。
あと、「ご飯行くときはこういう服が食べやすいな〜」とか、「案外こういう服でもビジネスっぽく見えるんだな〜」とか。試着室だけでは分からない発見がたくさんあって楽しい。
あとは着心地も。たとえば私は、「自分は袖口にスリットが入っているタイプのシャツは苦手なんだな」と理解した。理由は、タイピングするときに袖が邪魔だから・・・。こういうのは、着てみて仕事しないと分からない。
服って、似合う、テンションあがる、とかももちろん重要なんだけど、しかし同時に皮膚の延長でもあるわけだから、生活しやすいかというのはすごく検討されるべきポイントだと思う。
自分にとってこの服の形や色は生活するのに向いている/向いていない というだいたいの指標が手に入ったのは良かったな。
世間には、「ファッションのプロが、似合う服をデパートで一緒に選んでくれる」みたいなサービスもあるけど、「生活しやすいか」っていう肌感覚は、プロが客観的に判断できない部分だからな。自分の中に知見をためていくことは大事。
2)そんなに好きじゃないテイストの服でも、褒められることがあると理解できる
好きな服だけ着ていると気づかないんだけど、実は人って、服と着ている人のキャラが合っているかよりも、「その服が、見ている自分にとって好みか」を重視することがある。
つまり、男が「彼女には白いワンピースを着ていてほしい」とか言う的な。
もしくは、女が「彼氏には星野源っぽさのある服を着ていてほしい」とか言うように。
つまりこれって、特定の人に好感を持たれたい、と思っているとき、「私らしさ」よりも「その人の好み」を優先させて服を着ると、「私の好みの服を着ている人」として、記憶に残してもらえることがある、ということ。
ねえ、サークラ気質のあるオタクの女たち。うなずいてくれてる? あなたが赤ぶちメガネかけてたのはそういう理屈でしょ?(それはどうかな)
サブスクで届いた小花柄のゆったりワンピースを着ているとき、やたらとママ友や近所の人に褒められた。「可愛い柄」「どこで買った?」「こういう柄だいすき」と。
しかし私はそれを着ている自分を見て、健康ランドでこの上なくリラックスしている人みたいだな・・・と思っていたのだ(※)。端的にいえば、そんなに気に入っていなかった。
でも、普段、私はママ友に話しかけてもらえない。友人や知人が増えるのは嬉しいことだ。新しい発見が絶対にある。
(※小花柄のゆったりワンピースに罪はない。私の体型や身長、顔のつくりや化粧っ気のなさ、髪のボサボサっぷりにより、絶妙にゆったりした感じになったのである)
ある人を近づけて、ある人を遠ざける、フィルターとしての使い方が、服はできるってことだ。
私が今後、ママ友を作りたいときはどうすればいいのか? それは、小花柄のゆったりワンピースを着ればいいのだ。「人を殺したい日に着る用」の、いかついパワーショルダーの黒いタイトワンピースじゃなくてね。
3)派手な色や柄物に挑戦する心理的ハードルが低くなる
サービスを利用して、私はマゼンタがものすごい似合うことが分かった。
マゼンタってあの、ご家庭のカラープリンターとかに入ってる、攻撃力の高いピンクみたいな色よ。
こんな色にトライしようと思ったことはついぞなかった。「インクの色」としか認識していなかった。でも、着てみたら案外似合う。
ボリュームのある袖、ショート丈のトップスも似合うことが分かった。これも「なんかおしゃれな人だけが着るもの」と思って購入したことはなかった。
あとは、柄物も、恐れていたほど「柄が歩いてる」みたいな印象にはならなかった。
発見だなあと思ったのは、手に取った時の印象が派手な服でも、体型と雰囲気に合っている服は、そこまで悪目立ちしないということ。
こんな服着たら目立つよな〜と思いながら着てみても、案外普通。
自分の「似合う」が広がると、選べる服も広がる。
たくさんの服を取っ替え引っ替えできて良かったなあと思う。
じゃあなんでやめたの?
これはシンプルに、「だいたい分かった」から。
色々な服を取っ替え引っ替えしていると、自分がキュンとくる服って、そこまで世の中に存在しないことに気づく。というか実際のところ、「自分にジャストで似合う&自分もキュンとくる服」はそんなにない。
私の話をすると、私はイエベ秋、低身長、骨格ウェーブ、顔は濃いめ、好きなスタイルは「修道女っぽい清潔さのある服」、化粧は薄い、髪の毛はややマニッシュ寄り。
私は、前述の通り、小花柄のゆったりワンピースにはときめかない。ピッタリしたシルエットのニットにときめく。最近流行りのフレアパンツにはときめかない。ハイウエストのスキニーはときめく。くすみカラーは苦手、パキッとした色が好き。
「好きな服」「嫌いな服」がだいたい分かってくると、服を選ぶときに迷わなくなる。
このタイプのニット、この色のパンツ、この形のスカート、この感じのアクセサリー。冒険するとしたらこういう感じの色味。
さらに激しいことをいってしまうと、服に「こだわり」が出てくるようになる。
「ヒラヒラした袖、仕事しづらいな〜」とか「ターコイズブルーって今はときめかないな〜」とか。
そうこうしているうちに、サブスクで服が届いても、ときめく服よりときめかない服のほうが多くなった。
これなら、自分で買ったほうが、人生におけるときめき総数(?)は上。
私が利用していたサービスでは、おおよそ1ヶ月で9着、新しい服が試せる。
サブスク代と返送送料をあわせて、月にかかるお金は1.2万円。1年間で14万4000円。
年間で14万円、服に使えると思ったら、結構いろんな選択肢がある。
全部ブランド服で固めようと思ったら難しいけど、トレンドだったり柄物だったりはファストファッションでなんとかすれば良い。14万円全部を、質はともかく、ときめく服に使えるほうが嬉しい。意見は分かれるだろうけど、私はそう思う。
要するに、ときめく/ときめかないの基準が分かったことにより、
「ときめかないけど、とにかくいっぱい服が試せるから嬉しい」状態から、
「ときめく服をちょっとだけ持ってればいい」状態に気持ちがシフトしたということ。
永遠にやめるとは言ってない
今後もずっと服のサブスクをしない人生を送るのか? と問われると、まあ別にそうでもないよな、と思う。
というのも、私がサービスを利用していたのは11月から1月までの3ヶ月。要するに冬。
夏になったら、また「服について私は何も分からない」状態に陥るのかもしれない、そうしたらまたサブスクの出番であろう。
それから、こういうサービスはトレンドをチェックするのにも使いやすい。
たとえば、1年のうち3ヶ月だけサブスクを利用して、自分にとって「良き服」を探究する、みたいな運用はかなりアリなんじゃないかと思う。
あとは、私のように「似合う服がちょこっとしかない」人は案外少なくて、世の中の人は基本的に、あらゆるテイストと色の服をゴリゴリと着こなせるのかもしれない。そういう人にとって、サブスクサービスはめちゃくちゃ楽しかろうなと思った。ときめき放題じゃない。
というわけで、サブスクのサービスに登録して辞めた話でした。
そんな感じです。